注目の「トヨタ GRヤリス」は事前の期待値を超える高剛性・高応答なホットハッチだった
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 43
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 43
いち早く試乗した同業者の記事は軒並みポジティブだった。こういう場合、無意識にハードルが上がり、試乗後、そこまでよいか? という印象を抱きがちだが、「トヨタ GR ヤリス」は上がったハードルを易々と超えてきた。走らせる喜びを感じさせてくれるホットハッチだった。最上級モデルは456万円と、ヤリスと聞いて想像する価格を大幅に上回っているものの、その価値はある。
ノーマルのヤリスが5ドアなのに対しGRヤリスは3ドア。それだけでなくヤリスよりぐっとロー&ワイドな専用デザインが与えられた。ヤリスより55mm長く、110mm幅広く、45mm低い。リアに向かって天地、左右ともに絞り込まれていくデザインのため、よけいにロー&ワイドに見える。
GA-Bプラットフォームこそノーマルヤリスと共有するものの、追求した剛性の高さ、空力性能の高さ、重量の軽さはまったく異なる。前後のライトまわりのデザインが同じ別のクルマと考えたほうがわかりやすい。なぜそんな手間なことをしたかといえば、そのほうがカッコいいからではなく、競技車両のベースとすべく開発されたからだ。結果としてカッコいい。
室内空間をかなり犠牲にしてまで大胆にルーフが低くなっているのは競技車両に装着されるリアウイングに効果的に風を当てるため。ボンネットフード、ドア、リアハッチがアルミでルーフがカーボン(そうじゃないグレードもある)と、軽量化、低重心化のために贅沢な素材が用いられる。後席は2名掛けで、ラゲッジスペースもミニマムだが、後席を倒せばタイヤ4本を収めるだけのスペースが確保されているのはサーキット走行の予定があるユーザーにはありがたいはずだ。
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